東電、福島第2原発廃炉へ 小早川社長「このままあいまいでは復興の足かせになる」 (2/2ページ)

福島県の内堀雅雄知事と会談する東京電力の小早川智明社長(右)=14日午前、福島県庁
福島県の内堀雅雄知事と会談する東京電力の小早川智明社長(右)=14日午前、福島県庁【拡大】

  • 福島第2原発をめぐる経過

 14日の東京株式市場で東電HD株は反落し、終値は前日比4円安の514円。小早川社長の発言が伝わった午前に一時11円高となったが、売りに押された。

 事故を起こした福島第1原発は廃炉作業を進めており、東通原発(青森県)は東日本大震災後、工事が中断したまま。東電HDが持つ原発は柏崎刈羽の1~7号機のみとなる。出力の大きな6、7号機は昨年12月に再稼働の前提となる安全審査に合格したが、今月10日の新潟県知事選で初当選した花角英世知事は再稼働の是非について慎重に臨む姿勢で、地元同意の行方は見通せていない。

 東電HDは福島第1原発事故関連で必要と試算された約22兆円のうち、約16兆円を自社で賄わねばならない。昨年6月末に小早川社長と日立製作所出身の川村隆会長が就任して現在の経営体制が発足して1年。電力の小売り全面自由化で競争が激化する中、高い利益目標をクリアするには「稼ぐ力」の向上が急務だ。

 新家氏は「送配電部門の効率化は比較的順調に進む半面、柏崎刈羽の再稼働は地元同意が大きな課題で、新たな収益の柱としての連結子会社の収益向上も道半ばといえる」と話した。(森田晶宏)