野鳥のさえずりで難聴検査 パナ、スマホ向けサイト開発

パナソニックが公開した「聴き鳥テスト」の専用サイト
パナソニックが公開した「聴き鳥テスト」の専用サイト【拡大】

 パナソニックが野鳥のさえずりで手軽に難聴の検査ができる専用サイト「聴き鳥テスト」を開発し、スマートフォン向けに公開した。自然の中にいるような感覚で楽しみながら、加齢に伴う耳の衰えを早期に発見してもらう。難聴は認知症の発症リスクを高めるとの指摘もあり、医療機関の受診や補聴器の利用につなげてもらいたい考えだ。

 サイトでは、スマホの位置情報から利用者の現在地を測定し、その近くで生息が確認されている野鳥を画面上に表示。鳴き声を聞きたい鳥を選ぶとさえずりが始まり、聴力をチェックできる。野鳥愛好家の間ではヤブサメなど高音の鳴き声が年を取ると聞こえづらくなることが知られており、そこから難聴の早期発見に活用するアイデアが生まれた。

 さえずりの音は野鳥の保護などに取り組む認定NPO法人「バードリサーチ」(東京)が協力し、国内の野鳥60種のデータを収録した。東京都の高尾山や愛媛県の石鎚山など特定のスポットを選んで野鳥の声を楽しむこともできる。スマホのほか、補聴器販売店でも体験できるようにする。

 加齢性難聴は一般的に50歳ごろから始まり、65歳以上の日本人の約半数が言葉が聞き取りにくいなどの問題を抱えているという。