ビックカメラ最高益、株価1年で50%上昇 中国人向け決済導入が奏功

東京都内のビックカメラ店内(ブルームバーグ)
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 日本の小売業界の大物である新井隆二氏は、中国人観光客の旺盛な消費に感謝すべきだろう。

 40年前に新井氏が創業したビックカメラは、訪日外国人旅行者(インバウンド)の買い物人気スポットとなった。同社の利益は過去最高を更新し、株価は過去1年で50%余り上昇。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、株価上昇に伴って新井氏の総資産は18億ドル(約1990億円)に増加した。2006年に同社を新規株式公開(IPO)に導き、現在は会長の同氏は、信託経由と個人資産管理会社ラ・ホールディングスを通じてビックカメラ株43%を保有している。

 ビックカメラは免税デスクを設置したり、購入希望商品の予約をインターネット上で可能にするサービスなどの提供でインバウンド需要を取り込んできた。同社はまた、アリペイ(支付宝)やウィーチャット(微信)、さらに仮想通貨ビットコインなど決済手段を広げることで中国人買い物客を獲得し、これが売り上げ増加に寄与していると、ブルームバーグ・インテリジェンスの消費財アナリスト、トーマス・ジャストラブ氏はみる。

 同氏は「新たな決済方法の早めの導入が、より慎重なライバルに対してビックカメラに強みを持たせる可能性がある。決済手段の選択肢を増やすことは差別化を達成する上で良い方法だ」と指摘。「潜在顧客の間で評判となり、ブランド力の強化にもつながる」と語った。

 ビックカメラの17年8月期連結最終利益は135億円と、13年8月期に比べて5倍余りに拡大。今期最終利益は164億円を見込んでいる。同社によると、同社のインバウンド顧客数は3年で3倍余り増加した。(ブルームバーグ Yoojung Lee、Chris Cooper)