誕生40年「スペースインベーダー」 開発者、当時を振り返る

登場から40年が経過したゲーム機「スペースインベーダー」の開発者、西角友宏(にしかど・ともひろ)さん
登場から40年が経過したゲーム機「スペースインベーダー」の開発者、西角友宏(にしかど・ともひろ)さん【拡大】

 一世を風靡し、今も根強い人気を誇るゲーム機「スペースインベーダー」が6月16日、登場から40年を迎えた。遊ぶのに必要な100円玉が一時足りなくなったとされるなど、ブームは社会現象にもなった。「ヒットは一過性で終わると思っていたので、びっくりした」と振り返る。

 大阪府岸和田市の大工道具を作る職人の家に生まれた。エンジニアになろうと東京電機大へ。卒業後、音響機器メーカーを経てゲーム機を手掛ける太東貿易(現タイトー)グループに移った。

 襲来するインベーダーを、砲台を左右に動かしながら攻撃して倒す。当時としては斬新なアイデアを思いついたのは、米社が開発したブロックを崩すゲームがきっかけ。これを発展させ「相手が撃ってくるシューティングゲームを考えた」。

 インベーダーの動きに関連したプログラミングなど技術的な問題に悩まされたことも。「海外の文献を読みあさって」克服し、1年半かけて完成。しかしタイトー幹部の反応は冷たかった。従来機種より操作が難しいと受け止められたためで、同社が当初販売に力を入れたのは簡単に遊べる別のゲーム機だった。

 「不愉快になって思い入れが薄れ、もっと良い作品を次回開発することで頭がいっぱいだった」。だが、攻撃してくる敵を迎え撃つ目新しさが受けてブームに火が付いた。これを源流とするゲーム機は今も稼働中だ。

 今年は各種の記念イベントが催されており「協力したい」と意気込む。妻と息子が1人。74歳。