【福島発 輝く】豊国酒造 コメ農家と連携、日本酒のブランド力高める (1/5ページ)

 福島県古殿町にある「豊国(とよくに)酒造」の創業は天保年間(1830~44年)。約180年間、日本酒「東(あづま)豊国」などを造り続ける。地元では“酒といえば東豊国”といわれるほど、親しまれてきた酒蔵だ。

 歴史とともに、酒造りの技もしっかり積み重ねてきた。その証しが、日本酒鑑評会での数々の受章歴だ。老舗はこの春、さらに2つの“勲章”を手にした。

「東豊国」や「一歩己」、「超」を製造する豊国酒造=福島県古殿町

「東豊国」や「一歩己」、「超」を製造する豊国酒造=福島県古殿町

 9年連続「金賞」

 一つは今年4月、東北屈指の杜氏(とうじ)組合「南部杜氏協会」が主催する鑑評会の「純米酒の部」で、約30年造り続けてきた「超(ちょう)」が、1位に当たる「首席」に輝いたことだ。過去に「吟醸酒の部」で受賞歴はあるが、純米酒では初めて。醸造責任者で、同酒造の矢内賢征専務(32)は、感慨もひとしおだ。

 「酒造りを教わった先代杜氏は『吟醸酒』で首席を取った。今回は自分の造った酒が受賞した。部門は違うが、先代に少し近づけたと思う。大きな喜びです」と表情を崩す。

 さらにもう一つ。6月の全国新酒鑑評会での「金賞」受賞だ。福島県の日本酒は、同品評会で金賞受賞数で6年連続日本一に輝き、地元では大きな話題になった。こんな酒どころで、豊国酒造は9年連続受賞の快挙を成し遂げた。

 矢内専務は「『今年の米や気候に合ったいいものを造ろう』と、自然体で臨んだ。受賞できて、ホッとしている」と、プレッシャーから解放された心情を吐露する。

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