【木下隆之のクルマ三昧】「ドライビングディレクター」って何? 世界で一人…“ホンモノ”を撮りたい (1/3ページ)

自動車CMの撮影風景
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 「ドライビングディレクター」という職業に耳馴染みはないだろう。それもそのはず、これまで業種として存在がなかった。

 数年前、ひょんなことから僕はクルマのCM撮影やクルマを使ったイベントを企画演出するようになり、なにか適切な肩書きはないかということで頭を悩ませた結果、ドライビングディレクターという職業が生まれた。だから世界広しといえども、名乗っているのは僕だけだ。初耳なのも道理なのである。

◆CMへの「違和感」がきっかけだった

 かねてから、クルマの映像に関して違和感を抱いていた。たとえばテレビドラマで暴走族のように大暴れして走っているクルマが実は、とっても真面目な正統派セダンというようなこともある。

 クルマCMの映像で、タイヤが激しく白煙をあげている。それはスポーティ性をアピールする演出なのだろうが、運動性能の悪さをさらけ出しているに過ぎない…なんてシーンも少なくないのだ。

 たとえばゴルフクラブのCM撮影をするとしよう。当然、ゴルフの専門家が監修するはずである。最新のクラブを振り抜くモデルのアドレスやスイングが素人っぽくては、そのクラブが飛びそうには見えない。たとえば食材を撮影するとしよう。包丁さばきやまな板の素材など、専門家が担当するはずだ。鯖には鯖のさばき方と包丁があるだろう。肉の包丁と切り方は違うはずである。それを監修するためにプロが帯同しているはずだ。

運転はするの?