【新たな成長軌道へ アナリスト展望】(3)働き方改革 産業・社会システム変革で持続性担保を (1/3ページ)

ソフトバンクロボットワールド2017で、ペッパーのアプリケーションを試す来場者。人工知能など先端技術の活用が生産性向上のカギを握る(ブルームバーグ)
ソフトバンクロボットワールド2017で、ペッパーのアプリケーションを試す来場者。人工知能など先端技術の活用が生産性向上のカギを握る(ブルームバーグ)【拡大】

  • 東京メトロと富士ゼロックスが6月から9月末まで、南北線溜池山王駅に実験的に設置したワークブース。働き方でオフィスも変わる
  • 東京急行電鉄とアウトドアブランド「スノーピーク」が企画した「キャンピングオフィス」の体験会=東京都渋谷区
  • 三菱地所グループが開設した保育所付きシェアオフィス「コトフィス」。これからは女性が働きやすい環境整備は不可欠だ=東京都千代田区
  • 日本総合研究所主席研究員の山田久氏

 現政権は「働き方改革」に意欲的に取り組んできており、関連法案は今国会で審議されてきた。今回の政府主導による「働き方改革」の内容は、欧州型のワークルールを導入するものだ。それは人口減少の本格化という、わが国が直面する最大課題に対する有効な対応策として、大筋において妥当といえる。具体的には、長時間労働の是正と同一労働同一賃金の導入が2大柱となっている。労働時間の絶対上限を罰則付きで設けるとともに、正規・非正規間の不合理な処遇格差の是正を企業に求める。(日本総合研究所 山田久氏)

 男性現役社員の急減

 欧州に比べればそれらの基準は緩い形だが、長年議論されながらなかなか着手されなかったテーマであり、抜本改革というのは大げさではない。それらは、一義的には経済効率優先で過去20年間後回しにされてきた働く人々の処遇改善を目指すものだが、重要なのはその取り組みが、わが国が本格的な人口減少時代を乗り切るために不可欠となる付加価値生産性の向上を実現するための、またとないきっかけを与えることにある。

 わが国の人口動態をみるとき、人口減少で労働力の絶対量が減っていくとともに、かつて「中核労働力」と位置づけられてきた男性現役社員の数が猛烈なスピードで減少していくことに注目すべきである。これを補うために女性活躍が叫ばれてきたわけだが、依然としてその成果は十分ではない。さらに指摘すべきは、実は今後大きく増えていくのは、役職定年や定年後継続雇用など、現状では多くがコア労働力からは外れる位置づけの、55歳以上の「シニア」であることだ=図参照。

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