キリンホールディングス(HD)が傘下の国内事業会社で使う紙製の容器包装などをFSC認証紙に切り替える取り組みを加速している。同社は紙製の容器包装や段ボール、紙パックなどの全量を2020年末までに同認証紙へ切り替える目標を掲げているが、早ければ計画を2年前倒しとなる18年末にも達成することが、24日までに分かった。遅くても19年中には達成する見込みだ。
資材調達先のメーカーによる同認証の取得が進んだほか、紙製の包材などのデザインが切り替わるタイミングで採用を一気に進めたためで、環境に優しい企業を消費者にアピールしたい考えだ。
FSC認証は木材を生産する世界の森林とその森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証する国際的な制度。その認証は森林の環境保全に配慮し、森林のある地域社会の利益に貢献し、経済的にも継続可能な形で生産された木材や紙に与えられる。欧州などでは同認証紙を採用する企業が増えている。
キリンHDは17年2月、グループ一体で「健康」「地域社会」「環境」などを重点的に取り組み、持続的成長を目指す「キリングループCSVコミットメント」を策定した。その第1弾の取り組みとして、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン、キリン・トロピカーナの国内総合飲料各社で使う紙製の包材への切り替えに着手した。同認証紙へ切り替えることで、違法伐採を防ぐなどの森林の持続可能性に配慮する。