【高論卓説】経済牽引への新たな息吹の期待、サッカー日本代表と今の若者たちにみる (1/2ページ)

日本対セネガル戦の試合後、人で埋め尽くされた東京・渋谷のセンター街=25日未明、東京・渋谷(佐藤徳昭撮影)
日本対セネガル戦の試合後、人で埋め尽くされた東京・渋谷のセンター街=25日未明、東京・渋谷(佐藤徳昭撮影)【拡大】

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会が開催されている。6月7日付の世界ランキングで日本は61位だが、初戦で16位のコロンビアを倒す大金星を挙げた。この45位差の下克上は今大会最大である。月曜日未明の日本の2試合目では、フィジカルの面で圧倒的優位に見える27位のセネガルを相手に引き分けに持ち込んだ。これも偉業である。(作家・板谷敏彦)

 私世代の古い記憶では、確か日本は世界ランク20位ほどにいたと思っていたのだが、いつのまにか順位を落として61位になっていたという感覚が強い。わが国が世界で61番目とは、もろもろの理屈抜きで寂しい順位なのだ。今でこそ日本はW杯で話題沸騰だが、大会前は期待も低く盛り上がりを欠いていた。

 スポーツなどできなくても頭が良くて、もうかっていればいいさ、と経済にまつわる世界順位を改めて眺めてみると、サッカーにおける順位と似たようなことが起きている。昔、ジャパン・アズ・ナンバーワンと経済面ですごかった日本が、それほどでもなくなっていることに気づかされる。

 その国の経済の規模を計るGDP(国内総生産)こそ中国に抜かれながらも、いまだ世界3位の地位を保っているが、これは中国もそうだが単純に人口が多いからであって、GDPを人口で割った1人当たりになると、日本は世界ランク30位にまで落ちる(IMF購買力平価GDP、2017年)。東アジアではマカオ、シンガポール、ブルネイ、香港、台湾に次いで6位である。

 また、主要国で構成されるG7諸国においても1990年代には1位だったが、今では6番目で下はイタリアだけとなっている。残念ながら、わが国は思っていたよりも経済的にずいぶんと凋落(ちょうらく)している。この傾向は2012年のアベノミクス以降も同じで、国内の景気が良くなったと思っていたら、世界はもっと景気が良かったのだ。

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