金融庁次期長官に遠藤俊英氏 森体制の呪縛や仮想通貨…課題山積 (2/2ページ)

遠藤俊英氏
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 麻生太郎金融担当相は10日の閣議後会見で、遠藤氏について「森(長官)に比べれば人柄は何となく優しい」と評価した。

 だが、遠藤氏が長官になっても大胆な金融行政は打ちづらいとの見方もある。金融庁はすでに森氏の下で、能力主義の人事や業務評価に外部の目などを入れることを柱とした金融庁改革を発表。銀行融資のための資産査定基準を見直す議論や、高齢社会における金融サービスのあり方の中間とりまとめなども相次いで打ち出しているからだ。

 これらの改革案は森氏の「置き土産」の色彩が強い。「遠藤氏に真逆の政策を打つなどの色が出せないように事前に手を打ったため」(金融庁幹部)とされ、遠藤新体制の金融行政の手足を縛る可能性が指摘されている。

 しかも金融庁は仮想通貨に関する規制をめぐっては、交換業者に簡単に営業を認めるなど審査の甘さを露呈。森氏が「特異なビジネスモデルで継続して高収益を上げている」と評価してきたスルガ銀行では、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に絡み、ずさんな融資を行っていたことが発覚した。

 さらに地銀の改革でも、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)の経営統合は、公正取引委員会と金融庁の間で対立が続くなどして延期となった。金融行政をめぐり、理想と現実のギャップが目立ち始めている形だ。

 金融業界はマイナス金利政策や人口減少の影響で、苦境にあえいでいる。金融機関との対話路線への期待が集まる遠藤氏だが、問題の解決は容易ではないといえそうだ。(飯田耕司)