ウォルマート、先細り日本市場から撤退 西友を売却へ、再編でデジタル分野を強化

西友の本社とウォルマートの看板=12日、東京都北区
西友の本社とウォルマートの看板=12日、東京都北区【拡大】

 米小売り世界最大手のウォルマートが、傘下の国内スーパー大手、西友を売却する方針を固めたことが12日、分かった。米インターネット通販大手のアマゾン・コムなどとの競争が激しくなるなか、ウォルマートはデジタル分野の強化に向け世界的な事業再編を進めている。日本市場は少子高齢化や人口減少などで成長余力が乏しいと判断、撤退を決めたとみられる。

 売却額は3000億~5000億円に上るとみられる。国内流通大手に売却したい意向だが、投資ファンド、総合商社なども候補に挙がっている。

 西友は1956年に、西武百貨店の一事業部門を独立させて創設した「西武ストアー」が前身。60年代以降にスーパーのチェーン展開を進めて事業規模を拡大したが、バブル期の多角化路線が原因で経営が悪化した。その後、2002年に日本市場への参入を目指していたウォルマートと包括提携を発表。08年には完全子会社となり、ウォルマート流の安売り手法を取り入れて経営再建を進めたものの、収益性が大きく改善したとは言い難い状況が続いていた。

 全国に約330店舗を展開し、特に駅前に店を構える好立地の店舗が多い。その一方で、西友は業績低迷が続いていたため、老朽化した店舗が多い。食品から衣料まで取り扱う総合スーパー事業は、業界全体でも収益が悪化しているため、西友の事業全体の買収に乗り出す流通企業は少ないとみられ、売却交渉は難航しそうだ。買い手が現れても、店舗網や人員のリストラが加速する恐れがある。

 外資系スーパーでは、仏カルフールが05年、英テスコが13年にそれぞれ日本市場から撤退した。このほか、英ドラッグストア大手のブーツが01年に撤退するなど、外資勢の苦戦が続いている。

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【用語解説】ウォルマート

 1962年にサム・ウォルトン氏が米国で1号店を開店。期間限定の特売ではなく、一定の低価格を維持する戦略で、店舗網を広げた。北米に加え、南米やアジア、アフリカなどで1万1700店舗以上を展開し、従業員は約230万人に上る。最近は米インターネット通販アマゾン・コムに対抗するため、ネット通販を強化。2018年1月期決算の売上高は5003億ドル(約56兆円)。(ニューヨーク 共同)