【フジテレビ商品研究所 これは優れモノ】パナソニック 住宅用宅配ボックス

インターフォン付き郵便受け(上)とセットで設置された門塀・壁掛け型の「COMBO」コンパクトタイプ。最大5キロの荷物まで受け取り可能という。希望小売価格5万9500円(税抜き)
インターフォン付き郵便受け(上)とセットで設置された門塀・壁掛け型の「COMBO」コンパクトタイプ。最大5キロの荷物まで受け取り可能という。希望小売価格5万9500円(税抜き)【拡大】

  • 荷物を入れるとロックされ、取り出す際には専用の鍵でボックスを開ける
  • 配達員が伝票を差し込むと、受取印が押される
  • パナソニックエコソリューションズ社ハウジングシステム事業部・高橋弘喜氏

 □戸建て住宅用宅配ボックス「COMBO」

 ■電源不要で後付け設置可能 満足度「98%」

 インターネット通販の普及で、24時間好きなときにモノやサービスを買えるようになった。成長著しいe-コマース市場だが、留守宅への再配達増加に宅配サービスが追いつかないという社会現象も起きた。今回の「これは優れモノ」は、留守中でも荷物を受け取れる戸建て住宅用宅配ボックスを取材した。

 ◆第1号の発売は1992年

 「この商品の良さがやっと認められ始めました」と話すのは、パナソニックエコソリューションズ社ハウジングシステム事業部の高橋弘喜さん(49)。同社が戸建て住宅用宅配ボックスの第1号を発売したのは、1992年。「当時はバブルの余韻で、お中元・お歳暮の届け物が多い時代でした」という。

 ミカン箱サイズの100ボルト電源式の宅配ボックスで、届け物の多い富裕層を主なターゲットに発売。高機能だが電気工事が必要で、主に住宅の新築の際に売り込んだ。94年になると、より簡易な工事で済む乾電池電源のものや、荷物を2つまで受け取れるタイプなどを相次いで考案し、普及を狙った。

 だが、「宅配便も時間指定などのサービスを開始したことから、便利でもそこまでの設備は必要ないという声が多かった」と、販売は低空飛行だった。

 そこで2007年に、機能を絞って価格を大幅に下げた現行モデル「COMBO(コンボ)」の第1号を発売する。電源も、大がかりな工事も不要で、既存住宅に後付けで設置できる“優れモノ”だ。

 この頃から、再配達の問題がクローズアップされ始めたほか、90年代後半から新築マンションに宅配ボックスが設置されるようになった普及効果で、「マンションから戸建てに買い替えたお客様からの問い合わせを多くもらうようになった」(高橋さん)。

 ◆再配達率など調査

 同社は自治体と共同で、実証実験も開始した。一般家庭で実際に使ってもらい、その利便性を確かめてもらおうというものだ。2016年12月から17年3月まで、「日本で一番共働き家庭が多い」という福井県あわら市の100世帯に無料で設置し、再配達率や満足度を調査。再配達率は4カ月間で49%から8%に減少、満足度(利用者が満足と答えた割合)は98%だった。17年11月から18年1月までは、学生の多い京都市でも共同の実証実験を行った。

 「再配達の減少で、働き方改革やCO2削減にも貢献できると自負しています」。高橋さんは、さらなる需要拡大に自信をのぞかせる。

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 ≪interview 担当者に聞く≫

 □パナソニック エコソリューションズ社ハウジングシステム事業部・高橋弘喜氏

 ■「一家に1台」普及を目標に市場開拓

 --市場開拓に20年近くかかった

 個人の宅配利用が今に比べて少なく、戸建て住宅用宅配ボックスは、「あれば便利」程度の認識しか得られなかった。電気工事が必要な初期型も、他の住宅設備に比べて優先順位が低かった。現在では、顧客の多くが住宅新築の際に設置を検討するようになったが、商品の利便性を信じ、粘り強く改良してきたことが今につながっていると思う。

 --ライフスタイルの変化も追い風に

 共働き家庭が増えてe-コマース市場が急成長し、「COMBO」の市場拡大を後押しした。国土交通省によると、国内の宅配荷物の数は、1993年度に年間約12億個だったものが、2013年度には約36億個に増加。共働き世帯が1000万を超え、全世帯数の2割超に達しており、実証実験では、荷物を待つのにストレスを感じる人が多いことも判明した。顧客にとっても宅配事業者にとっても、便利な商品だと自負している。

 --実証実験で分かったことは

 日本一共働き家庭が多いという福井県あわら市と、学生の多い京都市での実験を通じ、福井県の例では、在宅中でも宅配ボックスに荷物を入れてもらう家庭が多いという結果が出た。家事で手が離せないとか、女性の場合、化粧をしていない「すっぴん」で出たくないなどの理由だ。これは想定外だった。京都市の実験では、再配達が減ったことで、宅配業者の業務時間が月50時間程度削減された。

 --今後の目標は

 長期的には、一家に1台の普及を目標にしている。住宅やインテリア関連のSNSなどを通じて認知度を高め、新築住宅だけでなく、既存住宅での後付けの市場も開拓し、設置台数を増やしていきたい。今後の市況に応じ、荷物を2つまで受け取れたり、保冷機能の付いた機種などの投入も検討したい。

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 ■フジテレビ商品研究所

 「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」内に設けられた研究機関。「美容・健康科学」「IPM(総合的有害生物管理)」「食品料理」「生活科学」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究している。

 http://www.fcg-r.co.jp/lab/