デジタル化で新産業革命を 経済同友会、軽井沢アピール採択 (2/2ページ)

軽井沢アピールの採択に向けた最後の議論を終え、意見を述べる経済同友会の小林喜光代表幹事(正面左)=13日、長野県軽井沢町
軽井沢アピールの採択に向けた最後の議論を終え、意見を述べる経済同友会の小林喜光代表幹事(正面左)=13日、長野県軽井沢町【拡大】

 前日の財政健全化などに関する議論に続き、13日のセミナーでは、米国の自国主義や存在感を強める中国の脅威、欧州の分断などのリスクに対し、「米国、中国が巨大な惑星だとすれば、日本は中惑星から小惑星になった。国際関係の中で取り残され、日本の発信力が低下している」といった指摘が出された。

 国際秩序形成での日本の役割が問われたが、「国際的に対等な力を持たない、情報共有はあり得ないし、安全保障の方向感も見えない」「経済力が二流、三流になったときに、日本は終わってしまう」との厳しい見方も示された。

 小林代表幹事は「国や企業の伝統的に強かったところを最大化し、国力、国家価値につなげていくことが重要」と訴えた。

 経済同友会は夏季セミナーを通じ、政治や官僚機構の制度疲労や意識の遅れを問題提起した。軽井沢アピールとともに、提言を政策にどう落とし込み、経済界として経営や社会活動で実践していくかが課題だ。(大塚昌吾)