ウナギの値上げ、相次ぐ外食店 不漁が波及、家計を直撃 (1/2ページ)

うなぎ専門店のうな重=5日午後、東京都中央区日本橋
うなぎ専門店のうな重=5日午後、東京都中央区日本橋【拡大】

 絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの稚魚の不漁を背景に、20日の土用の丑の日を控えてウナギの値段を上げる外食店が相次いでいる。東アジア全域で稚魚の漁獲が低調で、一部の取引価格は前年の3倍近くにまで跳ね上がったもようだ。需要の高まりに対して供給量は減少。国産品にこだわる専門店だけでなく、外国産を扱うチェーン店にも影響が出ており、家計を直撃している。

 東京・日本橋の老舗「いづもや」は価格が高騰したため、5月末から400円ほどの値上げに踏み切った。岩本守行社長は「2~3年前に比べ、仕入れの費用に1.5倍かかるけど、同じように値上げはできない」と苦心する。「どの店も値段と質の維持に苦労している。今後の相場は見通せないが、不安はある」と漏らす。

 同じく日本橋の「美国屋」も4月から200円の値上げを実施。先代から付き合いを続ける問屋から、何とかウナギを確保しているという。

 都内のある店から出てきた40代の男性会社員が「値上がりしても、やはり食べたい」と話すように需要は根強い。供給不足が続けば、今後も値上げの流れは続きそうだ。

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