【経済インサイド】「しょうゆを世界標準に」キッコーマン茂木名誉会長、傘寿を超えて意気軒高 (2/4ページ)

米シカゴ近郊のスーパーに並ぶキッコーマンのしょうゆ。舌の肥えた消費者へ向け、鮮度保持ボトル入りの商品も販売を始めた(山沢義徳撮影)
米シカゴ近郊のスーパーに並ぶキッコーマンのしょうゆ。舌の肥えた消費者へ向け、鮮度保持ボトル入りの商品も販売を始めた(山沢義徳撮影)【拡大】

  • キッコーマン名誉会長・取締役会議長の茂木友三郎氏=2018年6月7日、米ウィスコンシン州フォンタナ(山沢義徳撮影)
  • 米シカゴのスーパーに並ぶキッコーマンのしょうゆ。有機大豆を使い「オーガニック」を打ち出した品も人気だ(山沢義徳撮影)
  • キッコーマンが北米市場で展開するしょうゆ製品。食品メーカー向けの粉末しょうゆも伸びており、市販向けは「グルテンフリー」のしょうゆが人気だ(山沢義徳撮影)
  • 米ウィスコンシン州ウォルワースに建つキッコーマンしょうゆ工場。1998年には西海岸のカリフォルニア州フォルサムにも工場を新設した(山沢義徳撮影)

 もっとも、自動車や家電などの工業製品と異なり、販売価格が安い食品は利幅も薄い。日本で製造したしょうゆを米国まで運ぶ船賃が重くのしかかる。そこで68年からは現地での瓶詰を開始、73年に現地生産をスタートさせた。ウィスコンシンを選んだのは、原料の大豆や小麦に加えて良質な水にも恵まれ、全米を結ぶ交通の結節点であることが決め手だった。

 「製法は日本と変わらない。添加物を使い数日で作る安価な『化学しょうゆ』もスーパーに並ぶが、無添加・本醸造がキッコーマンの売りだ」と、製造子会社キッコーマンフーズの清水和生社長は胸を張る。米国でシェア約6割を握り、2017年度の売上高は1855億円(東洋食品の卸売り事業含む)。今や、本国の日本に並ぶ事業の柱だ。

 キッコーマンの直近の業績をみると、売上高4306億円の約6割、本業のもうけを示す営業利益365億円の約7割を海外で稼ぎ出している(いずれも17年度)。「国内でも高付加価値商品に注力するが、人口減少の制約は避けられない。いずれ海外売上高比率は7割まで高まるだろう」というのが、茂木氏の見立てだ。

 そのロードマップ(行程表)となるのが、今年まとめた長期計画「グローバルビジョン2030」だ。同計画では、日本と北米、欧州の先進国市場でトップシェアを固めながら、新興国市場への浸透を狙う。

「日本食ブームを活用するとしても、頼るのは禁物」