企業の休廃業リスク格付けサービス 帝国データバンクが8月から開始、非上場130万社対象

企業の休廃業・解散の件数推移
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 帝国データバンクは、全国の非上場企業約130万社が休業や廃業するリスクを格付けする新たなサービスを8月から開始する。業績や経営者の年齢などに基づき企業を10段階で評価するもので、こうした格付けサービスは世界的に珍しいという。

 「QP」と名付けた新サービスでは、倒産リスクの指標として従来から使われている業績や財務状況などだけでなく、経営者の年齢や後継者の有無などの要素も評価して点数を付ける。

 売り上げが良く財務状態に問題がなくても、先行きの不透明感から「堅調なうちに手じまいしたい」と考えるケースも多く、経営者の置かれた環境に重点を置いた測定方法を導入したという。現在、特許を申請している。

 この測定方法を2016年12月時点の企業データで検証したところ、最もリスクが高いと格付けした企業が1年以内に休廃業した割合は10.86%で、最もリスクが低い企業(0.13%)の約84倍もあった。

 QPを開発した背景には、企業別の休廃業リスクが不明確なままだと支援の優先順位が付けづらく、事業承継や企業再編を後押しする政府や自治体の予算の使い方が非効率になっているとの問題意識がある。帝国データは休廃業リスクのデータをこうした公共機関に販売したい考えだ。

 帝国データによると17年の休廃業・解散件数は2万4400件で、年間2兆円以上の売り上げと独自の技術、7万5000人以上の雇用が失われた。経営者の高齢化が進み、休廃業件数は今後も増加が見込まれる。