【トレンド・ナンバー】2794 リージョナルジェットの需要 取り込み狙う国産初ジェットMRJ


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 太平洋戦争に敗れ、衰退した日本の航空機産業。昭和30年代に開発されたプロペラ旅客機「YS-11」を除けば、民間機分野はほぼ機体やエンジンなどの開発・製造に参画するだけだった。国産初のジェット旅客機として期待を背負う「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が狙うのは100席以下の小型機市場だ。

 日本航空機開発協会によると、ジェット旅客機の新規需要は新興国の経済発展や格安航空会社(LCC)の台頭により、2037年までの20年間で3万3530機に上る見通し。

 このうち、60~99席級のリージョナルジェット(地域間輸送用旅客機)の需要は2794機。その取り込みを目指す三菱航空機のMRJは、座席数88と76の2タイプを計画、これまで約400機を受注している。7月には英国の航空見本市で展示飛行を初披露した。

 ただ、開発ノウハウの不足が響き、初号機の納入時期は2020年と当初予定から7年遅れている。また、世界2強の米ボーイングと欧州エアバスはブラジルとカナダの同業をそれぞれ傘下に収め、小型機に注力する構えを見せ始めた。

 “航空ニッポンの復活”を、MRJが示せるかどうか。向かい風は強い。