好調も…トヨタが見据える3つの不安 「原料価格・為替・追加関税」で先行き不透明 (2/2ページ)

2018年4~6月期連結決算を発表するトヨタ自動車の白柳正義専務役員=3日午後、東京都文京区
2018年4~6月期連結決算を発表するトヨタ自動車の白柳正義専務役員=3日午後、東京都文京区【拡大】

 対応策は一筋縄ではいかない。米国で生産を拡大するにしても工場の建設には時間がかかるし、部品の供給なども含め、生産計画を大きく変える必要があるからだ。トヨタはこれまで通り国内で300万台程度を生産する方針を堅持していく考えだが、輸出が減れば難しくなる。吉田守孝副社長は「日本の競争力をこれまで以上に上げていきたい」と話した。日本で生産する車の商品力向上や、国内での販売を増やして影響を吸収したい思惑をにじませた。

 米中貿易戦争の影響で、大需要地である米国内で鋼材価格が上昇。世界的な市況を押し上げている。また貿易戦争に加えて米国の利上げがドル円だけでなく、新興国の通貨を大きく動かす局面で、為替相場の動向も見通しにくい状況だ。

 トヨタは、車両技術の共通化などでコストを削減する生産・設計手法「TNGA」の導入車種を拡大して対応する。また吉田氏は「グループ内外の会社との協業で競争力を上げていきたい」と強調した。