日本の防衛産業に米の逆風 兵器売り込み、技術基盤喪失リスク (1/4ページ)

航空自衛隊の「F2」戦闘機(左)と「X2」実証機(GettyImages)
航空自衛隊の「F2」戦闘機(左)と「X2」実証機(GettyImages)【拡大】

  • 米ユタ州の米軍基地で訓練飛行を待つ「F35」(ブルームバーグ)
  • 昨年11月の日米首脳会談後の記者会見。トランプ米大統領(左)は「重要なのは米国から大量の兵器を買うことだ」と語り、日本に防衛装備の輸入増を促した(ブルームバーグ)

 安倍晋三政権下で防衛費が増加を続ける中、国内防衛関連産業に逆風が吹いている。トランプ米大統領が、近年輸入が急増している米国産装備品をさらに売り込もうと攻勢をかけているためだ。世界中で貿易摩擦を仕掛ける強敵を前に、業界は技術基盤が失われると危機感を募らせている。

 焦点はF2後継機

 当面の焦点は航空自衛隊の戦闘機「F2」の後継機開発だ。運用中の約90機が2030年頃から退役するのを見越し、三菱重工業やIHIは09年度からステルス機能など先進技術を搭載した実証機「X2」の開発に取り組んだ。後継機につなげる考えだったものの、今年に入って防衛省が高コストを理由に国産を断念したとの報道が相次いだ。

 三菱重工の阿部直彦執行役員は先月5日の事業戦略説明会で、F2後継機について「国内産業が持続していくため、わが国主導の開発は必要ではないか」と訴えた。16年にはX2の飛行実験にも成功し、国産で「十分やれる力はある」と強調した。

 調達を担当する防衛装備庁は、国内開発・生産基盤の維持・強化を掲げているが、日米共同で開発したF2の後継機をめぐる姿勢は定まっていない。小野寺五典防衛相は「国産開発を断念したという事実はない」と話している。朝日新聞は、国際共同開発を軸に同省で検討を進めるが、米国製戦闘機「F35-A」を追加購入する代替案もあると報じている。

撤退や倒産相次ぐ