【フロントランナー 地域金融】東京都の動産担保融資支援の取り組み(4)

田中嵩人さん
田中嵩人さん【拡大】

 ■金融機関への周知・普及も後押し

 東京都のABL制度は、取扱金融機関・専門機関には、担保物件について都が確認した各金融機関の内部管理規定に基づいて定期的なモニタリングも行ってもらう。ただ、「東京都のABL制度を利用したからといって金融機関に過度な負担を強いるわけではありません」と、東京都産業労働局金融部金融課の田中嵩人さんは説明する。

 「取扱金融機関の担当者の方に本制度への理解を深めていただき、お取引先に活用していただくことを期待しています。実際にABLを手掛けていただければ、専門機関の評価ノウハウを金融機関も積み重ねていくことができますし、動産のモニタリングを通じて中小企業の業況などもきちんと理解することが可能です。それはまさしく、金融庁が求める事業性評価にもつながっていくと考えています。本制度を取り扱っていない金融機関の皆様にもぜひ参入をご検討いただきたいと思います」(産業労働局金融部の西田雄一郎融資制度・債権管理担当課長)というのが、東京都の姿勢だ。

 東京都のABL制度は5月7日現在、30の金融機関で取り扱われており、利用件数も年々増加しているという。2014年度の補助件数・融資実行額は約60件・28億円という実績だったが、17年度は同約300件・220億円(速報値)にまで拡大してきている。利用する中小企業にとってネックとなる担保評価費用などが補助されること、ノウハウを持つ専門機関が適切に担保評価してくれること。こうした利点が、都内にある金融機関にも浸透してきており、中小企業に情報提供する機会が広がっているようだ。

 自治体によるABLの担保評価費用などの補助は、全国的にも極めて珍しい取り組みという。東京都はABLの普及を後押しするため、活用のハードルを下げる仕組みを作った。同様の制度が全国にも広がり、ABLが普及していくことが期待される。

                   ◇

 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp