「顔認証」原点は郵便仕分け 五輪で技術アピール


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 2020年東京五輪・パラリンピックのセキュリティー対策に採用されたNECの「顔認証システム」。現在70カ国で入国管理などに用いられている世界トップ水準の技術だが、国策として大規模に運用する中国の追い上げは無視できない。大会の安全確保はもちろん、日本の技術力をアピールする絶好の機会としても期待がかかる。

 生体認証には指紋や瞳を用いる技術もあるが、顔認証は専用の読み取り装置を必要とせず、警備担当者の目視による確認も可能だ。こうした利点から、東京五輪での採用が決まった。

 NECの顔認証システムは、手紙の郵便番号を読み取る装置が技術の源となった。まず撮影した画像から人の顔を検出し、目の離れ具合や鼻の形といった特徴を精密に計測。その結果をデータベースと照合し、事前に登録されている顔と一致するかどうか識別する。人工知能(AI)を使い、顔向きが異なっても本人確認できるよう改良した。

 近年はテーマパークやコンサートの入場手続きに使われるなど、一般市民が接する機会も増えつつある。調査会社のリサーチステーションによると、顔認証システムの世界市場は17年の40億5千万ドル(約4500億円)から、22年に77億6千万ドルへ伸びる見通しだ。

 国内勢ではパナソニックや東芝も力を入れ、治安対策で大規模に運用する中国の技術力も注目されるが、NECの菅沼正明執行役員は「システムを各国の事情に合わせる豊富なノウハウが強みだ」と胸を張る。(山沢義徳)