【高論卓説】事業再定義を迫られる時代 変化し続ける会社、厳しい競争に対応 (1/3ページ)

決算を説明する都賀一宏・パナソニック社長=5月10日、東京都港区
決算を説明する都賀一宏・パナソニック社長=5月10日、東京都港区【拡大】

 わが社の事業は一体何か。多くの企業が事業の再定義を迫られる時代に入った。人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などによってイノベーションが活発になり、明日は今日の単なる続きとは言えなくなったからだ。

 分かりやすいのは自動車である。トヨタ自動車の豊田章男社長は「当社は車を造る会社から、モビリティーカンパニーにモデルチェンジする決断をしました」と、5月の2017年度決算発表の記者会見で明言した。

 09年6月に社長に就任した頃の豊田氏は、そこまでは考えていなかった。同年10月に日本記者クラブで会見したとき、100年前にT型フォードが登場した米国で「1500万頭いた馬がわずか20年で自動車にほぼ全て取って代わられた」と語り、電動化が大変革を起こすかもしれないと予測していた。

 しかしトヨタは当時、ハイブリッド車(HV)で先行しており、「これからも電気利用技術の開発に一生懸命取り組む」との決意を表明した。自動車メーカーとして車づくりに専心する姿勢に変わりはなかったわけだ。

 ところが8年で自動車産業の様相はすっかり変わった。

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