マース奨学財団では今年46人の学生を支援【拡大】
貸与型奨学金における利用者の返済負担が社会問題化するなか、遊技業界では企業や団体を通じた返済不要の奨学金給付事業が展開されつつある。
例えば、一般財団法人マース奨学財団(東京都新宿区、代表理事・松波廣和氏)は7月8日、「2018年度奨学生認定証授与式・懇親会」を開催した。
同財団は、品行方正・成績優秀でありながら経済的理由により就学が困難である学生に対する奨学金給付事業を行うことを目的として、マースエンジニアリング(東京都新宿区)の創業者である松波氏が2017年12月に設立。
18年4月から奨学生を募集し、選考委員会による審査を経て10大学・46人を「2018年度奨学生」として採用した。当日の奨学生認定証授与式では、松波代表理事が奨学生に認定証を手渡し、今後の活躍を激励。懇親会では、奨学生それぞれが大学・学年の垣根を越えて、専攻や将来の夢を語り合った。同財団では引き続き、学び続けたい学生を支援し、将来グローバル社会で活躍できる人材の育成奨励に努めていく。
また、社会福祉法人さぽうと21(理事長・吹浦忠正氏)の協力の下、パチンコホール企業有志により昨年2月に設立された「pp(パチンコ・パチスロ)奨学金」(委員長・深谷友尋氏)は7月17日、同スカラシップの拡充を目指し、新たに5人のpp奨学金委員の委嘱式を行った。
「pp奨学金」はパチンコホールにおいて遊技客から募った玉・メダルを原資とする給付型奨学金で、日本国籍を有する経済的に恵まれない18歳以上の学生を対象に奨学生を募集。初年度は8人のパイロット給付生を支援し、18年度は多数の応募があるなか、22人の大学生・大学院生に奨学金の給付を決めた。
他方、大阪府遊技業協同組合(大遊協、理事長・平川容志氏)を母体とする公益財団法人大遊協国際交流・援助・研究協会(理事長・高島洋氏)では、国際都市大阪の発展に寄与すべく、大阪府下に居住する留学生に対して、返済不要の奨学金支給事業を展開。財団設立時からスタートした同事業は今年で27年目を迎えるなか、これまでの受給者数は18年度の新規受給者14人を含めて、実人数386人、延べ846人(25カ国・地域、38大学)に達している。
ここに挙げた奨学金の取り組み事例は、遊技業界の「社会との共生」に向けた活動の一部にすぎない。厳しい業況が指摘される現状ではあるが、今後も産業としての存在意義の強化を目指し、社会問題の解決に寄与する取り組みを推進していく。