【フロントランナー 地域金融】八十二銀行飯田駅前支店の上村秀文課長(1)

八十二銀行飯田駅前支店の上村秀文さん
八十二銀行飯田駅前支店の上村秀文さん【拡大】

 ■「商品よりも人を先に売る」営業姿勢

 八十二銀行は長野県の融資シェアでトップを誇るものの、飯田市周辺ではその地位を他行庫に譲っている。しかし、むしろ「伸びしろがある地域」と前向きに捉えるのが、飯田駅前支店の上村秀文さんだ。営業課長として法人・個人の両面で取引を牽引(けんいん)し、「支店の稼ぎ頭」と関口博道支店長からの信頼も厚い。

 上村さんの営業活動は、取引先との信頼関係の構築を何より重視する。「商品よりも人を先に売る」姿勢ともいえる。

 取引先との接点をできる限り作り、何気ない雑談を重ねて距離を縮めていく。事業所や製造現場の訪問時に、社長や従業員が敷地を掃除していればあいさつするのは当然として、外訪の途中に町中で見かけても声をかける。地域の情報誌に掲載されたり、イベントを開いたりしていれば見に行き、次の訪問で感想を伝えるといった気配りも怠らない。こうした過程で商品やサービスの提案はしない。あくまでも自然体で雑談を交わす。「商品を売るよりも話を聞く活動といえますが、これこそがお取引先との信頼関係を築く近道だと考えています」と上村さんは話す。

 気心が知れてきたと感じた頃合いで、「何かお力になれませんか」「会社に対する社長の思いに応えさせてください」と支援にかける熱意を語る。既に気軽に話せる下地ができているので、上村さんの心意気を粋に感じた社長からは、率直に悩みを打ち明けてもらえるという。 その悩みが販路開拓や人材不足であればビジネスマッチング、引退や後継者の問題であれば事業承継などの支援を検討する。その過程では本人の事情に踏み込むこともあるが、信頼関係ができているため、スムーズにヒアリングを進められるというわけだ。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp