【現場の風】ソフトバンク 格安スマホ、シニア取り込みに注力


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 □ソフトバンク常務・寺尾洋幸さん(51)

 --ソフトバンクと格安スマートフォンブランドのワイモバイルの併売店を増やしている。狙いは

 「ワイモバイルの端末が故障したときに、修理や代替として貸し出し機を出すというのは、お客さまのサポートとして非常に重要だ。契約者数が伸びているので既存顧客向けのサポートを増やす必要がある」

 --サポート強化は、KDDI(au)やNTTドコモのサポート力への対抗の意味合いもあるのか

 「携帯大手との料金の差は少しずつ縮まってきているので、われわれもクオリティーを上げないといけない。利幅が小さい中で、値下げはさすがに厳しいからだ。ただ、クオリティー向上はなかなか顧客に伝わらないので難しい」

 --学生の取り込みに力を入れてきたが高齢者の獲得は今後どう考える

 「シニアは大きな市場だと思う。『周りのシニアがどんどんスマホを持つようになっているので、自分もスマホにしたいのだけど、持ってみると、ささいなことが分からなくて難しい』というお客さまの反応は伝え聞いている。そこを今年は何とかしなければいけないと思っているところだ」

 --格安スマホ事業で競合の楽天が、自社で回線を保有する携帯電話事業者への参入を発表した。影響は

 「分からない。相当、計画を練っているんだとは思う。私は『ウィルコム』にいたが、競合として参入してきた『イー・アクセス』の脅威を一生懸命みなかった結果、対策が遅れてつぶれた。楽天は新しく参入するからにはそれなりの覚悟や、よっぽどの知恵を持っているのだと思う。私が楽天の立場だったら、(既存の大手3社に)勝つ方法の2つや3つぐらいは思いつく。楽天にもこうすれば勝てるというものがあるのだと思う」

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【プロフィル】寺尾洋幸

 てらお・ひろゆき 東北大工卒。1990年第二電電(現KDDI)入社。2004年DDIポケット(現ソフトバンク)転籍。15年4月ワイモバイル(現ソフトバンク)執行役員を経て18年6月より現職。三重県出身。