スズキ、中国撤退も視野 販売苦戦、合弁相手と協議

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 スズキが中国での自動車生産について、撤退も視野に現地の合弁相手と協議を進めていることが23日、分かった。販売の落ち込みに歯止めがかからないため。ただ、巨大市場から一度退場すれば再参入は難しく、慎重な判断を迫られる。

 合弁会社の重慶長安鈴木汽車(重慶市、1993年設立)は2017年度の新車販売台数が前年度比約28%減の約7万9千台と大幅に減少し、苦戦が続いている。

 今年6月に経営不振からもう一つの合弁会社の解消を発表すると、現地ではスズキが長安鈴木の出資持ち分も合弁相手に譲渡するとの噂が流れ、長安鈴木は否定に追われた。

 スズキは「長安鈴木の発展に向けて協議している」と説明する。だが、合弁を解消し、ライセンス供与で相手方がスズキブランドの生産を続けるなどの方法も選択肢に挙がっているもようだ。苦戦の理由は、スズキが小型車を得意とするのに対し、中国では大型車が好まれるためだ。