【高論卓説】企業経営に通じるラグビー 求められる戦略要素、チーム哲学 (1/3ページ)

ジョージアと対戦したラグビー日本代表=6月、豊田スタジアム
ジョージアと対戦したラグビー日本代表=6月、豊田スタジアム【拡大】

 サッカーのFIFAワールドカップ、オリンピックと並び世界3大スポーツイベントに数えられるラグビーワールドカップ(W杯)が、来年9月20日から11月2日にかけて日本で開催される。国内12都市で48試合が組まれる。第9回大会となるが、アジアでの開催は初めてだ。

 さて、ラグビーはイートン校やラグビー校といったイギリスのパブリックスクール(名門私立学校)の教育ツールとして始まった歴史がある。「ワン・フォー・オール オール・フォー・ワン(一人はみんなのために。みんなは一人のために)」や「ノーサイド(試合が終われば敵味方関係なし)」の考え方に代表されるように精神性の高いスポーツだ。

 同じフットボールでも、世界中にプロリーグがあって勝利至上主義のサッカーとは違う。15人という多人数で競技するため、戦略や戦術、さらにはチームの哲学も求められる。どこか経営に通じる面もあるが、実際、日本企業の経営者にはラグビー経験者がそれなりに多い。

 新日鉄住金の進藤孝生社長は秋田県立秋田高校2年、3年生時(1966年度、67年度)に、強豪の同県立秋田工業高校を撃破して“花園(全国大会)”に連続出場した。ポジションはフォワード8人をまとめるナンバーエイトで66年度には準決勝まで進む。「リーダーシップやフォロワーシップ(自主的に補佐)、そして対戦相手へのリスペクト(尊敬)を学んだ」(進藤氏)と話す。

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