「就活ルール」廃止、疑問視する声も 企業で賛否割れ…冷静な受け止めも

企業の合同説明会「みん就フォーラムin東京」に参加した学生ら=3月1日、東京都中央区
企業の合同説明会「みん就フォーラムin東京」に参加した学生ら=3月1日、東京都中央区【拡大】

 経団連の採用指針の廃止について、当事者となる企業側の意見は割れている。新卒採用のルールがなくなれば、優秀な人材の獲得にプラスに働くとする声がある一方、人気の高い大企業ばかりに優秀な人材が集まり、知名度の低い企業の採用が一段と難しくなるとして、廃止を不安視する意見も目立つ。

 経団連の中西宏明会長が表明した廃止方針を評価する意見が挙がったのが、経団連非加盟の外資系やIT企業と学生を奪い合う商社やメーカーだ。大手商社の担当者は「ルールに縛られると人材獲得に勝てない」として、廃止に期待感を示した。年間を通じて応募を受け付ける「通年採用」を検討している化学大手の三菱ケミカルも撤廃を歓迎。自動運転でIT大手と人材争奪戦を繰り広げる自動車業界からは、「不公平が解消されればプラス」(大手)と、好意的な意見も聞かれる。

 一方で撤廃を疑問視する声も目立つ。大手建設会社の関係者は「知名度の高い人気企業に人材が集中し、今まで以上に人が集まりにくくなる」と批判。大手金融機関の担当者は、企業が前倒しで採用に着手するようになれば「学生の学業がおろそかになる」と、反発した。

 中小企業の多くは欠員が出ると経験者を補充するのが実態ということもあり、油圧機器製造を手掛ける今野製作所(東京都足立区)の今野浩好社長は「(大企業とは)求められる人材が違う」と、冷静に受け止めていた。