【スポーツi.】残されたものを最大限に生かす、「見る」価値大きい障害者スポーツ (1/3ページ)

2020東京五輪・パラリンピックの競技体験イベントで、ブラインドサッカーを体験する子供=8月16日、東京・豊洲
2020東京五輪・パラリンピックの競技体験イベントで、ブラインドサッカーを体験する子供=8月16日、東京・豊洲【拡大】

 □フリーランスプランナー・今昌司

 今年新設されたブラインドサッカー国際大会「IBSAワールドグランプリ」が3月に東京都内で開催された。ブラインドサッカーは、視覚障害者のサッカーとして開発されたスポーツで、フットサルとほぼ同じルールの下、5人制で行われる。

 4人のフィールドプレーヤーは、視覚障害の程度を問わずアイマスク着用が義務付けられ、ゴールキーパーだけがピッチ上の選手として視覚に障害のない人が担うことができる。この国際大会で、障害者スポーツではほとんど事例がない有料入場の試みが行われた。

 際立つ聴覚

 日本ブラインドサッカー協会のメディア向け資料によれば、有料入場を導入した理由をこう説明している。「障害者スポーツが持つまだ知られていない価値を再認識していただくことと、大会運営力の向上」。収益を確保して安定的な大会運営環境を作り出していこうとする目的は分かりやすい。しかし、障害者スポーツが持つまだ知られていない価値とは何か。実は、ここにこそ、障害者スポーツの「見る」スポーツとしての価値を発見する糸口がある。

 ブラインドサッカーの試合会場は静寂に包まれている。スタンド席で聞こえてくるのは、選手の声と、キーパーやゴール裏にいるコーラーと呼ばれるガイド役の声のみだ。普通のサッカーの試合ならば、サポーターの大声援が響き渡り、選手の声など聞こえようもない。

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