【株式ニューカマー】ショートメッセージの用途拡大


【拡大】

 □アクリート・伊藤彰浩社長

 ショートメッセージサービス(SMS)配信事業を手掛けるアクリートは、SMSの普及促進を図るとともに、利用用途を広げることで物流の再配達などの社会課題解決に取り組む。7月26日に東証マザーズ市場に新規上場した伊藤彰浩社長は「国内最大級の配信事業者としてSMSの認知度を高めたい」と市場開拓に意欲をみせる。

 --SMSの利点は

 「SMSはほぼすべての携帯端末に搭載されているため、個人同士で確実に連絡をとることができる。電話番号も変更されにくいので、個人を特定する有力なIDでもある。現在は企業が個人に対して、通信手段を使って接触することが困難になっている。例えば電話がかかってきても、知らない番号には出ないという現状がある。電子メールアドレスを持たない人もいる。一方、SMSは国際規格なので、日本のみならず世界中の端末に届けられる。文字数も制限され、その分、読みやすいから、即時閲覧率も高く利用が進んでいる」

 --どんな用途があるのか

 「すでにスマートフォン用アプリの利用登録や電気料金の支払い督促で使われているほか、今後さまざまなビジネス領域で活用されていく。金融機関や仮想通貨における個人認証のセキュリティー対策、行政機関では各種申請・更新のほか防災連絡、宅配の再配達の改善などに広がるだろう」

 --事業の仕組みは

 「携帯通信事業者3社と正規に契約して、SMSの配信を仲介している。迷惑メールが大量に配信されないよう、企業のSMSは事前に配信目的などを審査している。こうすることで市場の健全性を保っている」

 --企業としての強みは

 「当社は法人から個人へ向けたSMS配信事業を手掛けたパイオニアだ。これまでのノウハウ蓄積によって企業に対して有効な施策を提案できる。また、品質、信頼性の高さ、大量配信の実績から、グローバル企業の発注も取り扱っている。このことが国内トップレベルのSMS配信数確保につながっている」

 --業績の動向は

 「堅調に推移している。とくに2017年12月期以降は大きく伸びている。18年12月期の売上高は前期比46.4%増の13億9000万円、営業利益は同28.3%増の2億2000万円と予想している」

 --今後の展開は

 「日本では海外に比べ、SMSの普及が遅れているので、これから大きく伸びるだろう。ITの発達によってセキュリティーの重要性が高まり、携帯電話番号は有効な個人認証手段として定着しているため、大きな需要増が期待される」

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【プロフィル】伊藤彰浩

 いとう・あきひろ 一橋大商卒。1992年4月トーメン(現・豊田通商)入社。2001年インディゴ入社、取締役、社長を経て、14年5月同社から会社分割により、アクリートを設立し、現職。49歳。愛知県出身。

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【会社概要】アクリート

 ▽本社=東京都世田谷区太子堂1-12-39 三軒茶屋堀商ビル6階

 ▽設立=2014年5月

 ▽資本金=2億710万円

 ▽従業員=10人

 ▽売上高=13億9000万円 (2018年12月予想)

 ▽事業内容=SMS配信サービス