トヨタ、環境戦略「全方位で推進」 燃料電池車増産へ、販売半数を電動化も (1/2ページ)

トヨタの燃料電池車「MIRAI(ミライ)」
トヨタの燃料電池車「MIRAI(ミライ)」【拡大】

 エコカーにはEVのほか、モーターとエンジンを併用したハイブリッド車(HV)や、水素で走る燃料電池車(FCV)がある。「電動車」とも呼ばれ、その“本命”の行方は混沌(こんとん)としている。トヨタ自動車は全方位のエコカー戦略を推進するが、投資負担は重く、これまで以上に緻密な経営戦略が求められている。

 充填(じゅうてん)した水素と酸素を化学反応させて発電し、水だけしか排出しないことから、「究極のエコカー」と呼ばれるFCV。世界初の量産車「MIRAI(ミライ)」を2014年に投入したトヨタは今年、FCV増産に向けた準備に入った。愛知県で基幹部品の生産設備の新設に着手し、現在、年3000台程度のFCV販売を10倍以上に増やす。同社は「FCVが広がるためには、20年代には本格的な普及期に入ることが必要だ」と説明する。FCVはホンダも投入している。

 トヨタの中国本部長を務める小林一弘専務役員は「環境戦略を全方位で、着実に進めていく」と話す。「プリウス」などのHVを得意とするほか、EVとして走行し、電池が切れてもエンジンで走るプラグインハイブリッド車(PHV)も投入済み。EVに関しても、HVで培ったモーターなどの技術が応用できるとしており、20年代前半には世界で10車種以上を投入する。

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