【フロントランナー 地域金融】青い森信用金庫・月舘智輝支店長(3)


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 □青い森信用金庫・廿三日町支店の月舘智輝支店長

 ■シンプルに“良いところ”見つける

 顧客の悩みへの迅速・丁寧な対応を重視する。青い森信用金庫・廿三日町支店の月舘智輝支店長のこの姿勢は事業性評価融資など、企業への営業活動でも変わらない。

 「事業性評価は、地域のつながりを重視し、地縁・人縁を基盤に営業を行う信用金庫の最も得意とする分野だと思います。“事業性”というと難しく聞こえますが、渉外担当者には、シンプルに担当する企業を知ること、“良いところ”を見つけることを徹底させています」

 こう話すように、月舘支店長は企業を知ることでニーズや課題を見つけるとともに、強みを把握することで事業性評価融資を推進している。

 ただ、企業の強みは一朝一夕に把握できるものではない。渉外担当者には、訪問の度に少しずつ企業の良いところを探させて、一つ一つ理由を深堀りすることを指導している。

 例えば、「将来のビジョンがしっかりしている」ということが分かったら、その理由を探らせる。理由が「今後も大口取引を期待できる得意先がある」ということであれば、なぜ得意先から選ばれているかを考えさせる。すると「他社にはない優れた技術がある」という強みが見えてくる、といった具合だ。

 「渉外担当者には、自分の担当先については金庫の誰よりも詳しくなければならないと伝えています。『こんな良いところがあるので応援したい』と説得力のある説明ができれば、事業性評価融資にも積極的に取り組むことができます」と月舘支店長は話す。

 指導においては「当たり前のことを当たり前にやる」を徹底している。面談の前には前回話した内容を見直す、顧客の興味・関心のある話題を事前に調べる、新規出店やイベントといった地域の情報をしっかり把握しておく、こうしたことを習慣づけるだけで面談は密度の濃いものとなっていく。職員一人一人が地域や顧客についてよく知ることで、“武器”である情報もさらに蓄積され、八戸地域での青い森信用金庫の存在感は一段と増していきそうだ。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp