【日本発!起業家の挑戦】ゲノムデータを消費者市場へ AWAKENSの高野CEOに聞く (1/5ページ)

日本科学未来館の展示「未来のドラッグストア」。アレルギー性鼻炎や胃腸薬でも、個々の遺伝子の型に合わせた薬が登場することを予測している=4月20日、東京都江東区
日本科学未来館の展示「未来のドラッグストア」。アレルギー性鼻炎や胃腸薬でも、個々の遺伝子の型に合わせた薬が登場することを予測している=4月20日、東京都江東区【拡大】

 ゲノム(ヒト遺伝情報)の解析から生まれる事業のうち、最も利益が上がるのは医療サービスではなく消費者をターゲットにしたさまざまな事業モデルであることが分かってきた。この事実に驚く人がいるかもしれない。しかし、過去40年間の生命科学の発展から私たちが学ぶことがあるとすれば、それは、ゲノムデータは私たちが想像していたよりもはるかに経済的価値が高く、同時に解釈も非常に難しいということだ。

 2017年1月、AWAKENS,Inc.(以下、AWAKENS)を米国シリコンバレーで創業したのは、高野誠大CEO(最高経営責任者)だ。高野氏は、ゲノム解析の価格が著しく低下し、解析機器の簡素化が進むことにより、私たち一般の人々が自らのゲノムデータにアクセスできる時代はすぐそこだと指摘する。その近い将来を見据え、AWAKENSは、一方で消費者がゲノムデータを探索するためのツールを、他方で企業やサービス開発者のゲノム統合型サービスを後押しするクラウドサービスを開発・提供する。

 5~10年後には実用

 --AWAKENSは誰もが自分のゲノムデータにアクセスし、有効活用できる世界の実現を目指しています。私たち消費者にとって、なぜそれが望ましいことだといえるのでしょう

 「私たちの提供するGENOME LINKというBtoB(企業間取引)のソフトウエアは、ゲノムを活用した個別化サービスの開発・提供を望む企業のためのAPI(データ連携を可能にする技術仕様)のようなものです。他業界のサービスに例えるならば、Twilio(音声通話、SNS、チャット、ビデオなどのコミュニケーションツールをアプリに組み込むためのクラウドAPI)やStripe(オンライン決済をアプリやサービスに組み込むためのAPI)のような存在を目指しています。5~10年のうちにフィットネス、栄養や食、医療・ヘルスケア、教育などのさまざまな分野でゲノムデータが活用されるようになり、一人一人のユーザーに合わせたサービスが提供されるようになると予測しています。ですから、自分のゲノムデータを管理することはとても重要になってくるのです」

「ゲノムデータを見える化」