JR貨物、運輸収入3分の1減少 8月輸送実績、西日本豪雨が響く

 JR貨物(東京都渋谷区)が12日発表した8月の輸送実績は、コンテナ輸送で126万3000トンと前年同月の72.8%にとどまった。西日本豪雨の被害で山陽線の一部区間で不通が続いていることが主な原因で、真貝康一社長は「運輸収入の3分の1が失われた」と述べた。

 総輸送量は、貨車を利用する車扱い貨物を加えても200.1万トンと前年同月比17.3%減となった。

 コンテナ輸送の全品目で減少となったが、取扱量の多い加工食品・飲料で約2割減の24万2000トン、紙・パルプで約3割減の17万5000トン。

 長距離輸送の割合が多い宅配便も約3割減で16万1000トンと、生活物資輸送への影響が表れた結果となった。九州発着の割合が特に高い自動車部品は46.3%減となった。

 JR貨物によると、現在の不通区間は広島貨物ターミナル駅-東福山駅の105.6キロで、10月中には再開の見込み。トラックや船による代行輸送やJR山陰線などへの迂回(うかい)輸送を続けている。