桜井氏は「何基(廃炉)かということにこだわるつもりはない。柏崎市民のリスクが、トータルで軽減することを求めている」と語る。東電は来年6月までに一定の回答を出す考えだが新たな懸案ともいえる。
昨年5月に策定した東電の「新々・総合特別事業計画」では、柏崎刈羽6、7号機が順次再稼働すると仮定した上で、2~4号機の再稼働を織り込む場合と織り込まない場合に分けて収支の見通しを試算。1~5号機の全てもしくは一部を廃炉とするとなれば、こうした収支の見通しも修正を余儀なくされかねない。
「県民に不信感ある」
規制委は7月、各電力会社が原発事故を想定して昨年度に行った対応訓練の評価結果を公表。東電は9つの評価項目のうち、規制委が重要視する項目で評価が低かった。未曾有の福島第1原発事故を起こした当事者の東電が低い評価となったことの衝撃は大きい。
これに関連して花角氏は小早川氏との初会談から4日後の8月6日に世耕弘成経産相を訪れた際、「東京電力という会社に対する県民の不信感というものがあるように思う」と語った。
経産省幹部も「東電が不信感にどう応えるかが問われている」と指摘する。
一方、新潟県は米山隆一前知事の時代から、原発事故に関する独自の「3つの検証」(事故原因、健康と生活への影響、安全な避難方法)を進めており、花角氏も引き継ぐと表明した。