富士フイルム、iPS治験を本年度申請へ 日本企業で初

 富士フイルムは23日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った移植医療の承認を国から得るための臨床試験(治験)を2018年度中に申請する方針を明らかにした。19年に始めたい考えで、実現すれば日本では企業として初めての例となる。22年の承認を目指す。

 iPS細胞を使った医療の実用化に向けた取り組みは理化学研究所や大学などが先行しているが、企業の治験が始まれば一段と加速しそうだ。

 治験は、白血病の骨髄移植によって重い合併症が起こる「急性移植片対宿主病」の患者が対象。国内では年間1000人程度が発症するという。iPS細胞から骨や脂肪などに変わる「間葉系幹細胞」と呼ばれる細胞を患者に注射。移植した骨髄に含まれている免疫細胞が患者の体を攻撃するのを抑える。

 富士フイルムが出資するオーストラリアの再生医療ベンチャー、サイナータ・セラピューティクスが既に英国で治験を行っている。富士フイルムはサイナータの技術や手法を日本で用いる計画だ。富士フイルムは、国から承認を得られれば、iPS細胞から間葉系幹細胞を作って、製剤にしてから医療機関に販売する予定。米国でも治験を実施する計画だ。