【トップは語る】新日鉄興和不動産 企業風土改革の取り組み、積極発信


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 □新日鉄興和不動産社長・永井幹人さん(62)

 --東京都心部のオフィスビル市況が好調だ

 「オフィス1棟を丸ごと借りていた企業が他の新築ビルへ移転することが決まっても、新たなテナントが即座に見つかるケースが珍しくない。賃料も上昇しており、ある程度先まで市場を読むことができる。事業継続計画(BCP)やセキュリティー対策、働き方改革、採用などの複合要因に支えられているようだ。最先端技術を求めて海外ベンチャーの関係者が日本を訪れる動きも活発だが、観光対策に比べると十分に需要を取り込めていない。国を挙げて、この課題に取り組むことが重要だ」

 --自ら開発した大規模複合ビル「赤坂インターシティAIR」(東京都港区)に本社を移転した

 「赤坂は当社のビル事業発祥の地で、六本木も含めた周辺地域にはITや人工知能(AI)、医薬系の企業の本社機能がどんどん移ってきている。当社はベンチャーとの間で、いろいろな関係を構築しているため、多くの産業が集積するきっかけを作りたいという考えを踏まえ本社を移転した。また、本社には500人の社員が働いているが、ワークライフバランスなどの考え方は個人差がある。移転によってコミュニケーションの緊密化を図り、こうした問題に対処したいといった思いもある」

 --それに向け、どのような工夫を凝らしているのか

 「部署の壁は物理的に全てなくし役員の部屋も廃止。社長・副社長の個室はガラス張りにした。また、囲われた打ち合わせスペースはなるべく減らし、オープンな場所でやってもらうようにした。会話している社員の顔を見るだけで『あの話を進めているのか』といった点を第三者が把握し、途中から参戦することでスピード感をもって物事が進む可能性があるからだ。企業風土の改革に悩むテナント企業は少なくない。こうしたわれわれの取り組みを積極的に発信し改善につながるようにしたい」

【プロフィル】永井幹人

 ながい・みきと 慶大経卒。1978年、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。みずほコーポレート銀行(同)副頭取を経て2013年、新日鉄興和不動産副社長、14年6月から現職。東京都出身。