【クラウドWatch】埼玉県から「AI救急相談」受注 NEC

 ■チャットボットで自動応答

 NECは、埼玉県から、人工知能(AI)を活用したチャットボットによる「AI救急相談自動応答システム」を受注したと発表した。県民の急な病気やけがによる救急相談の利便性向上と、適正受診の推進による救急医療機関の負荷軽減が目的で、2019年7月からの本格稼働を目指す。

 埼玉県では、救急医療体制の充実を目的として、急な病気やけがの対処方法の相談、医療機関の案内を受けられる救急電話相談を実施しており、17年10月からは24時間365日体制で受け付けている。相談員である看護師が対応し、利用者ごとに緊急度や医療機関への受診の必要性などをアドバイス。利用件数は年間約15万件に及ぶという。

 今回、埼玉県が導入を決めた「AI救急相談自動応答システム」は、チャット形式による救急相談の自動応答サービスで、スマートフォンなどに対応する。埼玉県のウェブサイト上に公開された専用受付において、県民がチャット形式で入力した救急相談の文章構造を自動で分析することで、症状別のデータベースから適切な対処方法や緊急度などを判定し、高精度かつ高速に回答できるようにする。

 同システムでは、2つの文が同じ意味を含むかどうかを判定するNECのAI技術「テキスト含意認識技術」を活用した「NEC 自動応答」を用いている。また、サービス提供に当たっては、全国の救急電話相談の対応実績・ノウハウを持つダイヤル・サービス(東京都千代田区)と連携。電話応対ノウハウを生かした高品質な対話シナリオを作成し、実際の救急相談事例に基づいた自動応答チャット相談を実現する構えだ。(インプレスウオッチ)