【高論卓説】決済機能は今もホットなテーマ スマホ用先行のIT企業が銀行の脅威 (1/2ページ)

アリペイジャパンがイベントに出展したバスの運賃をアリペイで決済できる支払機=9月5日、千代田区
アリペイジャパンがイベントに出展したバスの運賃をアリペイで決済できる支払機=9月5日、千代田区【拡大】

 1980年代、中期国債ファンド(中国ファンド)という証券会社の怪物商品が市場を席巻したことがある。国債の大量発行時代を迎え、その安定消化を促す商品として、証券会社が考案した残存期間5年以内の中期国債に主に運用する追加型公社債投信である。小口で購入でき1カ月複利で運用することから銀行の預金よりも金利が高く、かつ買い付け時の手数料が不要で、期間が自由であったことから爆発的に売れた。

 中国ファンドはあくまで投資信託で、元本割れするリスクはあるものの、証券会社にとっては念願の貯蓄性の商品。当然のことながら商品性の改良が検討された。中国ファンドの最大のネックは、解約・償還に伴う収益金の銀行口座への入金が数日かかることだった。このため商品改良の焦点は収益金の即時入金を可能にすることが目指された。

 だが、これに銀行界が猛反対した。「即時入金は中国ファンドに決済性を付与するものであり、認められない」という反論だった。決済機能は銀行の本来業務であり、異業種が侵食することは認められないというわけだ。

 そこで証券界が知恵を絞ったのは中国ファンドと銀行口座間のスイングサービスだった。その後、中国ファンドはMMFやMRFに吸収されてゆき、決済議論も下火となっていった。そして今、銀行の「決済機能」をめぐる古くて新しい問題が再びクローズアップしている。ただし、いま銀行の「決済機能」を侵食しはじめているのはアマゾンやアリババなどの電子商取引(EC)企業やIT企業。俗にプラットフォーマーと呼ばれる面々だ。

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