福祉車両、日常的に使える仕様に 日産がアウトドア向け試作車を出展へ

日産自動車が国際福祉機器展に出展するアウトドア仕様の福祉車両=5日、神奈川県茅ケ崎市
日産自動車が国際福祉機器展に出展するアウトドア仕様の福祉車両=5日、神奈川県茅ケ崎市【拡大】

 大手自動車メーカーが高齢化の進展を見据えて、車いすのスムーズな乗り降りに加え、一般車としても日常的に使える福祉車両の提案に注力している。日産自動車は5日、10日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕するアジア最大規模の福祉機器展にアウトドア仕様の試作車などを出展すると発表した。各社は「特殊車両」というイメージを取り除き、市場拡大に弾みをつけたい考えだ。

 日産は福祉機器展の開幕に先立つ5日、特装車を手掛ける子会社、オーテックジャパン(神奈川県茅ケ崎市)の敷地内で試作車を披露した。

 試作車は、主力ミニバン「セレナ」ベースの福祉車両で、最大2台の車いすをそのまま乗車できる「スロープ」を備える一方、アウトドアをテーマとした青色基調のボディーカラーを採用。キャンプ用品などを収納できる荷台を車の屋根に設置した。市場の反応を踏まえ、商品化も検討する。

 オーテックジャパンは「年齢や障害の有無に関係なくドライブを楽しめる車を目指した」という。同社は多様な特装車の商品企画から生産まで一貫して手掛けており、培ったアイデアを福祉車両の提案に生かした。

 自動車大手では、ホンダが4月、主力の軽乗用車「N-BOX」に、通常の4人乗りから車いすのまま乗降できるモードに手軽に切り替えられるスロープ仕様を追加。ダイハツ工業もトヨタ自動車と合同で福祉機器展に展示し、普段使いに便利な福祉車両をアピールする予定だ。

 日本自動車工業会によると、2017年度の福祉車両全体の販売台数は前年度比2.2%減の4万3494台となり、3年連続で前年実績を下回った。ただ、中長期的には、車で送迎するニーズが介護施設と家庭で高まる傾向にあり、福祉車両市場の伸びしろは大きい。市場拡大に向けては、ベース車両の性能を損なわずに低コストで福祉車両の魅力を高める工夫が問われそうだ。