レジで現金引き出す「キャッシュアウト」 ATM代替、災害時活用に期待も (2/2ページ)


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  • 来春にもキャッシュアウト機能が実装される予定の東京急行電鉄の券売機=東京急行電鉄提供

 災害に強いのもキャッシュアウトの特長だ。無線で情報をやりとりするモバイル端末があれば稼働するため、停電などでATMやクレジットカードが使用できない場合も現金を調達できる。

 首都圏でも、来春には東京急行電鉄と横浜銀行などが預金口座を登録したスマートフォンのアプリを使って、駅の券売機でデビットカード不要のキャッシュアウトサービスを始める。アプリで必要金額を入力すると表示される2次元バーコード「QRコード」を、券売機の読み取り機にかざし、現金を引き出す仕組みだ。交通系ICカードによるキャッシュレス化が進む中、券売機の有効利用に踏み切る。

 ただ、キャッシュアウトの利用可能店舗は現在、本州にあるイオンの63店舗と八丈島ぐらいだ。店側はある程度の現金を常に用意しなければならず、現金管理コストがかさむだけでなく、店員が利用者に手渡す金額を間違う恐れもあるため、導入に及び腰だ。

 キャッシュアウトは一見、キャッシュレス化に逆行するサービスだが、野村総合研究所の宮居雅宣(まさのり)上級コンサルタントは、周囲に金融機関やATMが少ない地方の方がメリットは大きく、普及しやすいと指摘する。その上で「キャッシュアウトが根付けば、現金を持ち歩かないことへの抵抗感が薄れ、結果的にキャッシュレス化に寄与する」と分析した。