就活指針廃止 迫られる売り手市場への対応 「新卒一括採用は必ずしも非効率ではなかった」 (1/2ページ)

就職活動が解禁され、各企業のブースに集まる学生たち=3月
就職活動が解禁され、各企業のブースに集まる学生たち=3月【拡大】

 経団連が9日に正式決定した就職・採用活動のルール「採用選考に関する指針」の廃止。通年採用を進める企業などからは歓迎の声が聞かれる一方、採用活動の長期化などを不安視する意見も根強い。正式決定を受け、企業側が採用戦略の見直しを迫られるのは必至で、各社は政府の動きも見定めながら、売り手市場への対応を進める。

獲得競争激化を懸念

 「もはや新卒にこだわるより通年採用をしたい」。パルコの牧山浩三社長はルールの廃止を肯定的に受け止めた上で、「白紙状態の新人を“パルコ色”に染めるには10年以上かかる。むしろ、さまざまな専門技能を持つ中途採用の即戦力を獲得したい」と前を向く。

 経団連が会員企業向けに実施したアンケートによると、指針の在り方については「広報活動や選考活動の開始時期の規定は削除すべきだ」とする意見が4割以上を占めたほか、指針廃止を求める意見も2割近い。現行維持は約27%にとどまり、「指針取りやめに意外感はない」(日立製作所)との声も聞かれる。

 だが一方で、指針廃止で人材獲得競争の激化に対する懸念も大きい。

 「これまでルールに従ってきた」とする大手保険会社は「内々定を出しても引き留めるためのコストや人員が必要」と嘆く。大手金融機関も「極端に早い青田買いや1年生から就活を行う学生が出るかも。学業やスポーツなど人間の幅を広げる大事な機会が損なわれるのでは」と指摘する。

続きを読む