【トップは語る】カーディフ生命保険 住宅ローンの団信もモデル転換へ


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 □カーディフ生命保険社長・久米保則さん(53)

 --低金利環境が続いている。その影響は

 「当社は、住宅ローンの利用者が死亡するなどした場合に、その時点の住宅ローン残高と同額の保険金が支払われる団体信用生命保険(団信)を手掛けている。低金利により、住宅ローンの新規顧客や借り換え需要が増えたことはプラスだ」

 --低金利は歓迎すべきことか

 「これまでは銀行が自腹でローンの中に組み込む形で団信を提供してきた。低金利によって銀行の収益が圧迫され、そのビジネスモデルは限界に近づいている。そういう意味で、低金利は必ずしもプラスではない」

 --新たなビジネスモデルとは

 「利用者が死亡した場合に完済される最低限の保障だけでなく、病気になった場合などプラスαで備える上乗せ分を販売する。銀行と一緒にお客さまに説明し、加入してもらう。市場全体で考えると、上乗せ保障を選ぶ人はせいぜい2割強程度。まだまだ成長の可能性がある」

 --どう納得して上乗せ分に加入してもらうのか

 「住宅ローンを組む方の多くは働き盛り。お子さんがいる方も多い。その中で貯蓄をはたいて何千万円もの借金を負う。人生でもリスクへの備えが薄く、また責任が大きい時期。それをきちんと説明し、選んでもらう」

 --カーディフ生命は4月に三井住友信託銀行から出資を受けた

 「三井住友信託は高齢の富裕層に強みがあるが、一方で若年層との接点は住宅ローンがメイン。ローン顧客を、どうやってコンサルティングの顧客へとつなげていくか。そのためにサービスの中身をどう考えていくか、そこを一緒にやりたい。われわれは保障性商品を用意する。既に共同開発した新商品の販売を開始した。今後もニーズに合わせて商品開発をしていく可能性がある」

                   

【プロフィル】久米保則

 くめ・やすのり 同志社大法学部卒。1988年、国内大手生命保険会社入社。2008年にカーディフ生命保険日本支社入社。17年から日本法人移行に伴い現職。北海道出身。