車部品、存亡懸ける大転機 電動化や自動運転 新たな強み必須 (1/4ページ)

新規に設立した「iSmartTechnologies」の従業員と話す木村社長(中央)(ブルームバーグ)
新規に設立した「iSmartTechnologies」の従業員と話す木村社長(中央)(ブルームバーグ)【拡大】

  • 旭鉄工の工場内部(ブルームバーグ)

 「アレクサ、勤怠管理をして」。愛知県碧南市の自動車部品メーカー、旭鉄工本社敷地内の建屋では従業員がタイムカードではなく米アマゾン・コムの人工知能(AI)搭載スピーカーに声を掛けて出入りする。中小の製造業らしからぬ光景は、電動化や自動運転など新技術による「100年に一度」の変化への対応に迫られる業界の実情を示している。

カイゼン支援に活路

 エンジンやトランスミッションなどの部品をトヨタ自動車に納入する旭鉄工の木村哲也社長は、2016年に他社の生産性改善を支援する新会社を立ち上げた。電気自動車(EV)やシェアリングの普及により既存事業の将来性に不安を感じる中で、約20年勤めたトヨタでの経験を生かし自社で行ってきた生産性改善のノウハウが他社にも応用できると見込んだ。

 旭鉄工の社員は約500人。16年度の売上高は155億円で最近はほぼ横ばいが続く。木村社長はEV化が進めば「事業のかなりの部分はなくなる」ほか、シェアリングの普及で国内の自動車生産がさらに縮小するとみる。5年前に旭鉄工に移り、センサーなどを用いて工場の稼働状況を数値化するなどの手法で生産性改善を進めてきた。

 新会社ではソニー出身者やAI研究者らを採用。ガラス張りで壁がなく、トレーニング器具が置かれたオフィスは、70年を超える歴史を持ち、木村社長が「昭和の会社」と表現する旭鉄工の昔ながらの事務所と対照的だ。新会社が販売するシステムは既に100社で採用され、5年後には売上高で旭鉄工本体を上回ると木村社長はみている。

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