移動販売や野外イベントで電源供給 日産がEV普及へ利用法提示 (2/2ページ)

電気自動車を使った食品移動販売で、買い物をする女性客ら=9月、福島県三島町
電気自動車を使った食品移動販売で、買い物をする女性客ら=9月、福島県三島町【拡大】

 課題は、やはり充電設備の不足や充電時間の長さだ。移動販売で1日40~50キロ走るだけなら問題ないが「冬場の暖房はバッテリーを激しく消耗するから不安だ」(菅家さん)という。

 給電設備としての活用には期待が高まる。会津若松市のベンチャー企業と協力し、農薬散布用ドローンの給電に使う仕組みを開発した。夏祭りのビアガーデンや野外音楽の催し、公園の照明演出などでも発電機の代わりに重宝され、地域の活性化に一役買っている。

 9月6日の北海道の地震で発生した道内全域停電が世間に衝撃を与え、災害時の緊急電源としても注目される。日本自動車連盟(JAF)によると、一般的な車はスマートフォンの充電や電気毛布なら使用できるが、EVだと電気ポットやホットプレートまで使える。東京電力エナジーパートナーと、さいたま市は、災害時にEVから電気を供給する仕組みづくりに取り組む。

 日産は9月、EVを災害時に避難所の電源とするため、販売店のEVを貸し出す協定を東京都練馬区と結んだ。販売店にある急速充電設備の優先的な利用も約束した。行政との連携も強化する。