「シーテック」ベンチャー出展続々 AIや暗号化技術アピール (2/2ページ)

 ソフトウエア開発のZenmuTech(ゼンムテック、同区)は、保存されているデータを無意味な形に分割して分散管理する新たな技術を披露する。すべての分散片がそろわないと元のデータに復元できないため、「従来の暗号化技術よりもセキュリティーのレベルが高い」(広報担当の松倉泉さん)という。

慶応大学発ベンチャーのモーションリブが開発したロボットハンド。表面が柔らかいものも形を崩さずに持てる

慶応大学発ベンチャーのモーションリブが開発したロボットハンド。表面が柔らかいものも形を崩さずに持てる

 AIや暗号化技術との相性が良いロボットの分野でもユニークな出展企業が相次ぐ。慶応大学発ロボットベンチャーのモーションリブ(川崎市幸区)は、トルクセンサーを使わないロボットハンドを実演展示する。このロボットハンドに使われる独自開発のリアルハプティクス技術を使うことで、「トマトや桃など表面が軟弱なものも、形を崩さずに持てる」(広報担当の緒方仁是さん)のが特徴だ。ユカイ工学(同新宿区)も尻尾型の「クーボ」に続く、新型のコミュニケーションロボットを発表する。

 このほか金融とIT(情報技術)が融合したフィンテック分野では、Origami(オリガミ、同港区)が出展。自動販売機や移動販売など、近未来の世界を表現したブースで、さまざまな電子決済サービスを体験できる。

 こうしたIoT分野では、産業分野の大手企業も技術をアピールする。昨年初めて出展した産業用ロボ大手のファナックと板金加工機大手のアマダ。ともに今年も出展し、複数台の機械を通信回線でつなげ、生産状況などを可視化し、故障の原因を分析して、適切なサポートを提供するソリューションを紹介している。