【現場の風】日本航空 古着由来のバイオ燃料でフライト 日本航空コーポレートブランド推進部アシスタントマネジャー・松尾知子さん(31)


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 --回収衣類からバイオジェット燃料を造るプロジェクトが10月に始まった

 「日本環境設計(東京都千代田区)が運営する小売店の店頭で古着を回収する取り組みを通じて綿製品を集め、グリーン・アース・インスティテュート(同文京区)がバイオジェット燃料を製造する。純綿1.6トン分で1000リットルできる計算だ。2020年に古着提供者を乗せたチャーター機を飛ばす」

 --プロジェクトのきっかけは

 「都市ごみ由来の燃料で車を走らせる日本環境設計のイベント協力がきっかけとなり、飛行機を飛ばせたら面白いなと。身近な物が燃料になる意外性に加え、参加者も環境問題が自分事になりやすい。普及に向けて一般の方に理解していただくための取り組みなので、機内誌やフェイスブックなどでこれから告知していく」

 --バイオ燃料はSDGsの一環か

 「国際民間航空機関が定める21年開始の温室効果ガス削減対策では、20年比で排出量を増やさないこととなった。超過分は排出権クレジットの購入が必須で経済的なインパクトもある。対策にはバイオ燃料導入の必要があり、米国の製造会社に出資もした。一方で、バイオ燃料の製造では日本は遅れているので、今回の取り組みでユーザーとしての導入の意思を示せるとも考えた」

 --協力先が多いが反響は

 「発表後、回収に参加したいとの企業も出てきた。私自身も古着が燃料になることに驚き、大きな学びになっている。グローバル化で技術を海外に求めることも多いが、今回の各工程は国内の中小企業の既存施設で行われる。改めて日本の技術力に感心したし、フライトまで時間もかかる。この間、製造過程など丁寧に情報を発信し、技術も含めて伝えられればと思っている」

                   

【プロフィル】松尾知子

 まつお・ともこ 早稲田大国際教養学部卒。2009年4月、日本航空入社。運航本部の乗員サポート部や787運航乗員部、運航安全推進部を経て17年10月から現職、「10万着で飛ばそう! JALバイオジェット燃料フライト」を担当。東京都出身。