サウジ孤立化、孫氏の“兵法”は ジャーナリスト死亡、ソフトバンクの投資戦略に影 (1/2ページ)

決算発表会見で、サウジアラビアとの大型プロジェクトについて説明する孫正義氏。サウジをめぐる疑惑の余波で思わぬ逆風にさらされている=5月9日(ブルームバーグ)
決算発表会見で、サウジアラビアとの大型プロジェクトについて説明する孫正義氏。サウジをめぐる疑惑の余波で思わぬ逆風にさらされている=5月9日(ブルームバーグ)【拡大】

 サウジアラビアの反体制ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で死亡した事件は、投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」をサウジ政府系ファンドと組成したソフトバンクグループに大きな影響を与えそうだ。ソフトバンクは、ビジョン・ファンドを通じて世界各国のIT企業への投資を加速。投資企業としての側面が大きくなっているが、人権意識の高い欧米企業は、サウジマネーの流入を敬遠する可能性もあり、孫正義会長兼社長の投資戦略見直しに注目が集まる。

 ◆営業益の34%稼ぐ

 ソフトバンクが昨年5月に設立した10兆円規模のビジョン・ファンドは、孫氏が「群戦略」と名付けた、各国のIT企業でソフトバンクのグループを形成するための重要な資金源となっている。「人工知能(AI)が全ての産業を再定義する」と考える孫氏は、SVFを通じて、AI関連を中心に欧米や中国、東南アジアなどの約30社に投資した。

 ビジョン・ファンドには、ソフトバンクが約3兆円を出資する一方で、サウジ政府系ファンドが約5兆円と大半を出資しているとみられている。先端技術に投資し石油依存から脱却するのがサウジ側の狙いだ。ソフトバンクにとっても利益の源泉になっており、ビジョン・ファンドを中心としたファンド事業で2018年4~6月期の営業利益の約34%を稼ぎ出した。

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