KYB免震不正 病院など18件追加公表 マンションは進まず公表ペース停滞

熊本市民病院で検査データを改竄した免震装置が使われた問題で、同市役所を訪れて大西一史市長らに謝罪するKYBの坂井静専務執行役員(左から2人目)ら=26日
熊本市民病院で検査データを改竄した免震装置が使われた問題で、同市役所を訪れて大西一史市長らに謝罪するKYBの坂井静専務執行役員(左から2人目)ら=26日【拡大】

 KYBは26日、免震・制振装置の検査データ改竄(かいざん)をめぐり、不正や不正の疑いのある免震装置が使われていた18件の建物名を追加公表した。物件名の公表ペースは停滞しており、KYBは人員を含めた社内体制を強化して納入先の所有者への対応を急ぐ。

 ただ、対象物件は983件と多く、説明に時間がかかる。マンションは住民などが公表を受け入れるのは難しく、当面は公共施設が中心となりそうだ。

 国土交通省の基準に適合しない免震装置を設置した物件は、さいたま市複合公益施設サウスピア(さいたま市)、南部町国民健康保険西伯病院(鳥取県南部町)、愛媛県立中央病院(松山市)の3件。顧客の要求した基準に達しない物件は長岡市消防本部庁舎(新潟県長岡市)、みよし市役所本庁舎(愛知県みよし市)など4件だった。制振装置では追加公表はなかった。

 KYBは19日に役所の庁舎70件を初めて公表し、26日は愛媛県立中央病院など18件を明らかにしたが、庁舎が多数だ。KYBの担当者は公共施設に集中する理由を「所有者が分かりやすく、連携が取りやすいため」と説明する。

 KYBは建物の施工主であるゼネコンを通じて情報提供を進めているが、ゼネコン関係者は「KYBから情報が出てこない。次のステップになかなか進めない」と不満を漏らした。

 ある不動産会社では、建設中のマンションでKYB製の装置が設置されていることが判明したが、不正製品かどうかの確認ができていない状況という。関係者は「顧客に説明するだけの材料がそろっていない」と対応に苦慮する。

 一方、KYBの坂井静専務執行役員らは26日、熊本市の大西一史市長と市役所で面会し、陳謝した。大西市長は「命を守る装置を造る企業での偽装は信じられず、強い憤りを感じる」などと述べた。

                  

 ■KYBが新たに公表した物件

 【栃木】佐野市新庁舎

 【埼玉】さいたま市複合公益施設サウスピア、さいたま市大宮区新庁舎

 【神奈川】横浜市衛生研究所、川崎幸病院

 【新潟】長岡市消防本部

 【富山】射水市庁舎

 【石川】県立中央病院(金沢市)

 【岐阜】岐南町庁舎

 【愛知】県警本部新庁舎、国立長寿医療研究センター(大府市)、清須市庁舎北館、みよし市本庁舎

 【鳥取】西伯病院(南部町)

 【広島】三原市新庁舎

 【愛媛】県立中央病院(松山市)、市立八幡浜総合病院本館

 【高知】南国警察署