郊外百貨店に訪日客の波 品ぞろえ同じ、すいていて待ち時間少ない (1/2ページ)

化粧品を選ぶ中国人客=19日、京阪百貨店枚方店(栗井裕美子撮影)
化粧品を選ぶ中国人客=19日、京阪百貨店枚方店(栗井裕美子撮影)【拡大】

 百貨店の郊外店で訪日外国人客(インバウンド)を取り込む動きが強まっている。都心の百貨店よりすいていて買い物がしやすいと、訪日客の中で郊外店に足を運ぶ人が増えているためだ。商圏人口の減少などで閉館となる店舗もある中、免税手続きの専用カウンターを新設するなどして生き残りをかけている。(栗井裕美子)

 免税売り上げ5倍

 平日午前、買い物客の姿は、まだまばらな京阪百貨店枚方店(大阪府枚方市)1階の化粧品売り場。大きなスーツケースを抱えた中国人旅行客約20人が来店し、熱心に品定めを始めた。同店でスキンケア商品を購入した中国西安市から訪れていた女性会社員(38)は「待ち時間が少なくて便利だ」と笑顔で話した。

 全5店のうち、大阪府郊外の守口市、枚方市などで4店を展開する京阪百貨店では、昨年9月からインバウンドの取り込みに力を入れている。今年9月の免税売り上げは前年から約5倍に増えた。郊外店で客数が少ないことを逆手に取り、「当店ではゆっくり買い物できる」と旅行企画会社に売り込んだ。

 きっかけはSNS

 価格に敏感な20~40代に人気で、同社の担当者は「ほしいブランドが手に入れば場所は気にしないという人が多い」と分析する。中国系旅行企画会社の関係者によると、中国からの訪日客は「大阪は買い物、京都は観光する場所と決めている」といい、この意識も追い風になったとみられる。

 一方、観光主体として位置付けられる京都市の山科区にある大丸山科店は今年8月、来年3月末での閉店を発表。ここ数年は赤字経営だった。

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